CHEAP TRICK@渋谷公会堂(2006.10.13)
~「BUDOKAN」の名を世界に知らしめたのは、CHEAP TRICKだった~
今から28年前の1978年。日本武道館で行われたCHEAP TRICKの来日公演は、当時の日本の女子中高生を熱狂の渦に巻き込み、大盛況のうちに幕を閉じた。この様子は、同年に本国アメリカで「Live at BUDOKAN」としてリリースされ、ここから本国でのCHEAP TRICK人気に火が付いたのだった・・・。
その「Live at BUDOKAN」から28年の歳月が過ぎた今年、2003年のSUMMER SONIC以来3年ぶりにCHEAP TRICKが日本に帰ってきた。
実は私、3年前のSUMMER SONIC@マリンステージも見たのだが、その前日にHARDROCK CAFÉ TOKYOで行われたシークレットライヴ(この時は、「Too Much」と「I Want You To Want Me」をアコースティックセットで演奏)も見て、心底感動したので、78年の武道館公演を見た人たちと同じくらい、今回の来日公演を楽しみにしていた。
10月13日、場所はいつの間にか新装していた渋谷公会堂。2階席で見ましたが、周りには空席がチラホラ見え、少し寂しく思いつつお客さんを見回すと、やはりというか何というか、年齢層は結構高め。「この中に78年の武道館公演を見ている人がどれくらいいるのだろう」と、思ったが、実際かなりいたのではないだろうか。
開演時間を10分弱回ったところで、いよいよ開演。「Hello There」から「Big Eyes」へと畳み掛ける流れは最近の定番のようだが、いずれも77年リリースの「In Color」の曲だけに、古くからのファンにとってはたまらない流れだろう。
その後は新作「Rockford」から、そして往年の名曲をバランスよく演奏。
ギターのリックは、1曲ごとにギターを交換。「いったい何本ギター持ってきてるんだろう?」と思わずにはいられない。そして演奏が終わるとギターを最前列のお客さんに渡しちゃうサービスぶり。そして、恒例行事(?)の豆まきのごときピック投げ!もうリック、やりたい放題である。
MCもほとんどがリック。その中で、英語力に乏しい自分でも「2008年に『Live at BUDOKAN』の30周年記念で武道館ライヴをやる!」というリックの言葉がハッキリ聞き取れた。正直、今のこの動員でかなり厳しいとは思うが、ぜひとも実現して欲しいものだ。実現の暁には、日本国民総出でお祝いしてあげようではないか!と思わずにはいられない。
本編ラストは、おなじみ「Surrender」。CHEAP TRICKを直接知らない人でも、ZEBRAHEADやLESS THAN JAKE、はたまたVELVET REVOLVERまでもがカヴァーしているので、聴いた事がある人も多いと思う。とにかく名曲である。後世まで歌い継ぎたいものだ。
そして、引っ込んで1分経ったか経たないかの間に再び登場!一発目はこれも代表曲「Dream Police」!メンバーと一緒に、スキンヘッドでサタン髭、腕にはタトゥーという、この場にはどう考えても似つかわしくない人がギターを持って登場し、リックと一緒に無邪気にギターをかき鳴らす。何分勉強不足ゆえ、その場では彼が誰なのかは分からなかったが、後でANTHRAXのスコット・イアンだった事が判明。LOUD PARK出演の為に来日していたのだが、飛び入りでゲスト参加とは、恐らくスコットもCHEAP TRICKが大好きなのだろう。ライヴでカヴァーしてるらしいし。スコットは「Dream Police」と「Auffie」に参加して帰っていった。
そしてラストはお約束「Good Night」。「Hello There」の「Hello」を「Good Night」に変えて歌うという、まぁエピローグ的な曲。80分程という、幾分短いセットではあったけど、十分に満足に足るライヴでした。
1974年結成というから、既に結成32年。途中でベースのトムが脱退するという停滞期もあったが、それでも同じメンバーで30年以上もバンドを続けるという事は「偉業」と言っていいと思う。普通であれば「昔の名前でやってます」的な集金ツアーになってもおかしくないところだが、CHEAP TRICKは新作を作り出し、そのキャリアを更に重ねている。以前、インタビューでドラムのバニーが言っていた。「俺達は同好の士。音楽が好きなおじさん達だ」と。好きだからこそ、金の為や第三者の為ではなく、自分らの為にやっているからこそ、今なおCHEAP TRICKは輝き続ける。
くどいようだが、2008年の「Live at BUDOKAN」の30周年記念武道館ライヴを心待ちにしようではないか。
SET LIST
* HELLO THERE
* BIG EYES
* OH CANDY
* WELCOME TO THE WORLD
* IF YOU WANT MY LOVE
* PERFECT STRANGER
* BEST FRIEND
* I WANT YOU TO WANT ME
* I KNOW WHAT I WANT
* VOICES
* IF IT TAKES A LIFE TIME
* THE FLAME
* 70'S SONG
* SURRENDER
------------------
* DREAM POLICE
* AUFFIE
* GOODNIGHT
TEXT:Nov. / Photo:Yuki Kuroyanagi
